君にハートを盗まれた。
階段を下りていた先輩の視線と、あたしの視線が重なった。

トクン…。鼓動が一気に跳ね上がって、あたしはとっさに先輩から視線を逸らした。

そして、先輩から逃げるように立ち去ろうとしたら…

ガシッと突然腕を掴まれた。


えっ?っと思って立ち止まると


「ちょっと、話しがある。付き合え」

いつの間にいたのか…?先輩があたしの腕を掴んでいた。

「先輩?」

バクバクしながら先輩の顔を見上げた。

突然の先輩の行動。周りには、立ち止まり好奇な視線であたし達をチラチラ見る生徒達の姿。


先輩は、そんな事を気にせず、あたしの腕を掴んだまま階段を上がっていった。




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