君にハートを盗まれた。
学校から少し離れた場所にある公園に通りかかった時

「ちょっと、寄っていこうか?」


先輩が言った。
あたしはまた

「はい」

と頷くだけ…。


こんなんじゃ、嫌われる。飽きられる。

そう思った。


自分で自分がよく分からないんだ。

先輩だって戸惑うよね?

先輩、変に思ってないかな?

あたしの頭の中は、そんなことばかりを考えていて。

もう、爆発寸前だった。


先輩に促されて公園内にあるベンチに腰を下ろした。


遊具が余りなくて、ベンチと綺麗な花が花壇に咲いているだけの公園。


あたし達以外に、誰もいなかった。




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