君にハートを盗まれた。
涙を拭いたあたしは、先輩の瞳をまっすぐ見つめた。


そして…


「先輩」

「なに?」

「先輩。あたしが、優花先輩の事を忘れさせてあげます」

先輩の瞳は、大きく見開いていた。きっと、驚いてるよね?


だけど、もう決めたから。


じゃないと、あたしは前に進めない。


「あたし…先輩が好きだから。先輩に、あたしの事をもっと好きになってほしい」


「ヒカリ…」


「だから…あたしが優花先輩の事を忘れさせてあげます。
先輩のハート。あたしにください!」


あたしのハートは、もう先輩に盗まれたから。


今度は、あたしが先輩のハートを盗みます。


あたししか…好きになれないように…。




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