君にハートを盗まれた。
重たい体を起こそうと、両手を冷たいコンクリートの床についた。
こんな姿を見知らぬ男の子に見られたなんてショックだ。
早く立ち上がりたいのに、さっきまでしゃがみ込んでいたせいか、痺れて足に力が入らない。
どうして、あんなところにいるのよ?
知ってたら、泣いたりしなかったのに…。心の中でブツブツと文句を言いながら、痺れた足に力を入れて立ち上がろうとした瞬間。
ガクンと体のバランスを崩して、そのまま前に倒れそうになった。
「きゃあ…」倒れるぅ!!そう思っていたら…フワッと優しいぬくもりを感じた。