君にハートを盗まれた。

「ごめんなさい。心配かけて」

『いいって。急に帰ったから気になって電話しただけだから』


そっかぁ。心配で電話してくれただけなんだ。

それは、それで、なんか切ないな。


『ヒカリ…。』


「はい。先輩」

『俺さ…』


先輩は、そう言ったあと何も言わないまま黙り込んでしまった。


どうしたんだろう?


そう思っていたら…

『俺、ホントにヒカリが好きだから…俺のこと。信じてほしい』


先輩は、それだけ言うと「また明日な」と言って電話を切ってしまった。



先輩…。先輩もきっと苦しんでいるんだよね?


だから、こんな風にあたしに電話をかけてきてくれたのかな?

先輩の気持ちが嬉しくて切ないよ。

まだ付き合い始めて一週間。


お互いのこと、まだちゃんと知らないけど。


これから少しずつ分かり合えていけばいいよね?



< 75 / 198 >

この作品をシェア

pagetop