君にハートを盗まれた。

 程なくして着いたレストランは、真正面が大きな水槽になっていて
 さっき見たイルカ達が、時々窓ガラスに近づくように気持ちよさそうに泳いでいる。

 近くのテーブルに座ったあたしたち。

 注文して、程なくしてテーブルの上は、先輩のハンバーグとポテトのセットと、あたしのエビドリアで美味しそうな香りに包まれた。

 互いに「美味しいね」と微笑み合って食べたエビドリアの味は、初めて好きな人と一緒に食べる緊張と恥ずかしさでいっぱいで。余りよく分からないけど。

 今まで食べたエビドリアの中で一番。美味しかったんだ。


 食事を終えたあたし達は、しばらくこのまま水槽で泳ぐイルカを眺めた。


 「ホント。いいなぁ・・・」


 ポツリと呟いたあたしの言葉に「今度、海行こうか」と呟いた。

 「え?」そう聞くあたしに「海。夏になったら2人で行こう」そう言うとニカッて笑ってみせた。







 


 
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