君にハートを盗まれた。
水族館を後にしたあたし達は、近くの公園にいた。
そこは芝生がどこまでも広がる広い公園で、家族連れや恋人達もいて。
キャッチボールや自転車に乗ったりして楽しそうな光景の向こう側には、海が見えていた。
あたし達は、手を繋いで芝生を歩き。
人が余りいない、海がよく見える場所で腰を下ろした。
「気持ちいいなぁ」
先輩は、そう言うと芝生にゴロンと寝転んだ。
芝生の上で、気持ち良さそうに背伸びした。
「このまま、寝たら最高だなぁ~」
「そうですねぇ。気持ちいいですよね」
海風がちょうどいいぐらいに吹いていて。
あたしの髪を靡かせた。