もしも、許されるのなら。
生まれてきちゃいけない子だとしても、命を無駄にしたくない。


―プルルッ

「はい。」

『あっ。涼香?今日どうしたの?』

「早織ちゃん……」

『え?!泣いてるの?』

「今から会える…?」

『じゃあ、涼香の家に今から行くね?皆で行った方がいい…?』

「二人で話したい。…皆には明日言うから」

『わかった。じゃあすぐに行くから!!』

今頼れるのは早織ちゃんしかいなかった。
亜由奈ちゃんは家族で田舎に行ってるんだよね。
お婆ちゃんのお見舞いらしい…
彼方センパイ、純太君、一樹君にはやっぱり言いにくい……。
幸子叔母さんにだって言えないよ…

お母さん、お父さん、お兄ちゃんはフランス。
電話じゃ言いにくい。


早織ちゃんはお姉ちゃんみたいな存在で頼りになる…
今は早織ちゃんしかいない。
重荷になっちゃうけど…


ごめんね…




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