もしも、許されるのなら。
早織ちゃんの家から家までは結構距離ある。
わざわざ来て貰うのも悪い気がするけど、今家には私しかいない。

早織ちゃんの家には家族がいるかもしれないから…


―ピンポーン

「あ…わざわざ来て貰っちゃってごめんね…」

「いいって。気にしないで」


ジュースを早織ちゃんに出して向かいに座った。

「それで…何があったの?」


「うん。…最近体調悪くて、お兄ちゃんのこととか、幸子叔母さんにお世話になってることとかで情緒不安定なのかなって思ってたの。めまいとか吐き気がよくあって…」

「うん…」

「でね、今日病院行ってきたんだ。そしたら……妊娠3ヶ月って言われちゃった…」

「え?!…涼矢センパイとの?」

「お兄ちゃん以外の人としたことないもん……」

「……そっか…そうだよね。」

「私、本当のこと言えば産みたい。でも絶対反対されるよね…」

「……でも、家族には話すしかないでしょ?」

「うん…」





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