もしも、許されるのなら。
それからあっという間に月日が経ち、私は出産を終えた。

「涼香ちゃん。旦那と話し合ったんだけど…やっぱり家で暮らさない?もう家族みたいなものでしょ?一人で子育ては大変だから…」
「でも……」

「お母さんがそう言ってるんだからいいんだよ。涼香が家出てったら心配で心配で……」

私は学校を辞めずに休んでいる。多分留年することになるだろう。
早織ちゃんは高2になった。

あの後、お母さんたちから何度か連絡があったけど、産むなしか言ってもらえないからもう電話に出ていない。


「…本当にいいんですか?」

ここまで甘えていいのか分からないけど、一人で子育てするのはやっぱり不安。

「ええ。いいわよ。」

「…じゃあ…お世話になります。」



早織ちゃんの家族はとても優しくて、私には勿体ないくらいだ…





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