もしも、許されるのなら。
「ねぇ、涼香~。この子の名前は?」

「うん。えっとね…望にしようかな。」

「のぞむ?いい名前ね。」

「ありがとうございます。この子は私の希望だから…」

私にはこの子しかいない…
大事に育ててみせる。





……

この子、望を育てるのは簡単じゃなかった。

まず、抱っこさせてくれない。

触られるのが嫌いみたい。

それに、多動で休めない。夜も寝ない。偏食で決まったものしか食べない。

そして何より、まだ話さない…

ママって呼んでくれない……



どうして?

ママを恨んでる?





< 130 / 144 >

この作品をシェア

pagetop