もしも、許されるのなら。
そして、お兄ちゃん、私、望の三人暮らしが始まった。


「お兄ちゃん、お母さんたちはどうしたの?」

「ん~家出みたいなもん?」

お兄ちゃんも家族を捨てたの…?
私たちに頼れる人はいないんだね。



あの日から家の中では、私をママ、お兄ちゃんをパパと呼ぶようになった。

外へ出たら言えないけど。
お兄ちゃんは父親がわりってことになってるから。



「望、パパ呼んで~」

パパの写真を見せて望に言う。

望がパパをちゃんと呼んできてくれる。


父親になれてるのかは分からないけど、望の中でパパと言う人は居ることが当たり前になっていた。


パパが出掛けようとすると、その変化に気付いて泣く。
父親恋しではないけど、パパはとても嬉しそう。





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