もしも、許されるのなら。
「パパ~、手伝ってぇ」

只今夕飯の準備中です

「はいよぉ!じゃあ望、飛行機ぶーんはおしまいな。」

「うぅ~…」

もっとやって欲しいみたい。
でも延々やってるわけにはいかない。
なるべく見通しをつけてから始め、おしまいと言って終わる。
最初から何回やるのか決めておくのがいいみたい。



―ピンポーン

「はぁ~い?」

誰だろ?こんな時間に……
「…どちら様で…」

「涼香。」

「…っ!!…お母さん、お父さん……。」

どうして…
もう、関わってくれないと思ってたのに…

「入って?」

とりあえず、お母さん、お父さんを家にあげる。

「お兄ちゃん。お母さんたちが来たよ。」
「え?!」

望のおねだりに負けて飛行機ぶーんをやっていたお兄ちゃんが突然起き上がった。

「きぃぃ~~!!」

突然やめたから望が怒ってる
軽い癇癪をおこしてしまった。
地団駄は下の階の人に迷惑になってしまうのに…

「涼矢も久しぶり。」
「…あぁ。どうしたの?いきなり」

「そんな言い方しなくても…孫に会いに来たのよ」

望に…?
妊娠が分かったときから「産むな」しか言ってもらえなかったから、連絡してなかった…
だから、望の障害のこと、話してない……。

私に自業自得だって言う?
反対したのに産んだからだって言う?

もう、傷付きたくない。



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