もしも、許されるのなら。
次の日、久しぶりにお兄ちゃんと登校した。


「じゃあ、帰りにここで待ってろよ?」

「うん!じゃあね!!」


幸せ。

彼方センパイに報告した方がいいのかな…

でも、誰かにバレたら……

言わなくていいか。
早織ちゃんたちにも言わないでおこう。

「おはよう。」

―パンッッッ!!

凄い音とともに頬に痛みが走った。

「…ったぁ…」

「…最低!!!!」

…綾乃?
最低って何が?

「涼矢センパイに別れてって言われたんだよっ!!!あんたのせいでしょ!?」

もぅ言ったんだ…
メールかな……

「私、知ってるんだから…」

え?何を……

「あんた、自分のお兄ちゃんが好きなんでしょ!?」

―頭が真っ白だ…

教室がざわついてる

何も頭に入ってこない…
心配する声も、冷やかしてる声も…




―助けて…

お兄ちゃんっっ!


「やめろよ」

凄い低い声。
怒ってると誰もが分かるだろう…




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