図書室の恋
たとえ彼女じゃないとしても、
その人と彼は、名前で呼び合うほど仲が良いってことだから…。
彼女じゃないと分かっていても、
少し、 いやかなりイヤだ。
そんなことを考えていたのに
彼は突然噴き出して、声を抑えて笑った。
「ごめ、笑って。
華奈ね。
俺とアイツはそんなんじゃない、
ていうかアイツ、学外に彼氏いるから。」
「え、ぇっ…そうなの!?」
「ん。
しかもその彼氏さんと俺、知り合いだし。
つーか、俺がやだな、あいつを彼女にするのは。」
そう言って彼はふっと口角を上げた。