図書室の恋



「さっきの、君のこと。」

…さっきの?君のこと?

…私?


さっきのって、彼女にするんだったら、っていう。 

よーするに、


「…わ、私!?」
「そ。…佐久良さんは完璧、鈍感だな。

あんな分かりやすく俺が告白したって言うのに。」


「分かりやすく!?どこが!?

全然わかんなかったよ!?


ていうか、…私?

ほんとに私?私のことが好きなの?」

「うん。」


ぽぉっと、顔が熱くなるのを感じる。

絶対、今、顔が真っ赤だ。


「…そんな顔されると、俺、期待しちゃうけど?」


いいよ、期待して。


だって私が好きなのは…、


私が大好きな作家さんの小説が ふ、と頭の中で思い起こされた。

いつかあんな恋をしたいと思ってた、

でも私は物語の脇役だとも、ずっと思ってた。



だけど…加納くんとの恋なら、私は主役になれますか?



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