図書室の恋
そんな感じで、少し盛り上がった後、彼がちらりと腕時計を見た。
「悪い、友達待たせてるんだった
俺、行くね。」
そう言って、去ろうとしたから私は思わず
「あのっ、アド教えてくれない!?」と言ってしまった。
いつもはそんなこと言う勇気がないのにその時に限って言えたのは、
彼との会話がよっぽど楽しかったんだと思う。
彼は驚いたみたいで、目をぱちくりとさせた。
突然だったかな…と後悔する直前に、満面の笑みを浮かべられた。
「…実は、俺も同じこと考えてた。
けっこう話してるの楽しかったからさ。
でも突然はうざいかな、って。」
「ご、ごめん。突然言って…」
「いやいや!むしろ嬉しいし!」
そして受信、送信のやり取りをして、その日は別れた。