図書室の恋
嫉妬
第二章『嫉妬』
それから、図書室で会うと、話をするようになった。
メールは毎日してるけどわざわざ約束して会うようなことはないから、
直接顔をあわせるのは週一くらい。
(文系と理系だから、廊下ですれ違うこともあまりないし)
彼のこともいろいろ分かってきた。
以前は部活をやっていたけれど、今はもうやめてしまったこととか、
代わりに学外の友達とバンドをやってて、Dr(ドラム)担当とか。
ちなみに本の趣味は全くといっていいほど同じだけれど、
それ以外のことはあまり共通点がないから
お互い「そういうのもあるんだ」という感じになっている。
後、分かったことといえば…
私が彼と図書室で会うのをすごく楽しみにしていて、
会うと嬉しいと思うと同時に心臓がうるさいこと。
ようするに私は加納くんのことがすごーく気になるみたい…。
彼がメールに律儀に返事を返してくれることに、
淡い期待を抱いてしまう。