好きと嫌いの境界線
「おい
聞こえてるー??」
呼ばれているのは私、
桜木 郁加<サクラギ フミカ>
『おーい 聞こえてっかってば-?』
呼んでいるのは
同じテニス部の
佐久間 陽太<ササキ ヨウタ>
― 只今.部活が終わり
一緒に帰っている所です ―
なんでこうなったかと言うと
小学校からの付き合い
友達歴7年.
酒井 まりな
が.私を置いてとっとと
帰ってしまったときがあり
その時をきっかけに…
「だから.おいってばー」
うっさいな~
返事するの忘れてたし
「んー.なに??」
「何ってひどくね??
優しい優しい佐久間くんが
せっかく一緒に
帰ってあげてるのにさあ~」
さっきの続きだけど
佐々木くんはいい人だ
私が帰りが1人だと知って
一緒に帰らないかと
誘ってくれたからだ
私は夜1人で帰ることが
怖かったので
その誘いを快く受けた
しかし佐々木くんってば
こんなノリで…
毎回こんな発言をしてくる
確かに優しいしありがたいが
毎回毎回言われるとウザったく
なるわけでして…
「うん.そうだね」
なんて適当に
あしらっちゃってます