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「ちょ…!あんた何やってんスか!!」
「あ…?」
突然コンビニの扉が勢いよく開いて、あのバイトの高校生が青ざめた顔で飛び出して来た。
それを見守るように、扉の中で怯えたような顔をした若い女性が立っている。
俺は捜索する手を止め、高校生とその女性の間を目で往復した。
何だ…こいつら…。
邪魔すんじゃねぇ…!
俺は往復した視線を、最後に高校生に定め、思いっ切り睨み付けた。
力を入れすぎて、目玉の奥が鈍く痛むくらいに、睨み付けた。
邪魔されなくなかった。邪魔されたくなかった。
俺の3億円
俺の3億円
「…俺の…俺の…」
再びコンビニの入口前に置いてあるゴミ箱の中に手を突っ込む。
既に足元にはその中身が散乱し、辺りには微かに異臭が立ち込めていた。
でも…
この中にきっとあるはずなんだ…
ゴミと間違われて捨てられた…
俺の…
俺の…
「3お…」
「おいって!!」
「……っ?」
肩を押され、ゴミ箱の中から俺の手が引きずり出された。