陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
そっと部屋に戻ると、小太郎がゆっくりとこっちに顔を向けてきた。

「あ、ごめんね、起こした?」

「いや…」

すっと襖を閉めて中に入ると、そのまま小太郎のそばに座った。

小太郎が体を起こそうとするので、慌てて止めようとしたが、小太郎はそれを制止した。

「大丈夫?しばらくここで、ゆっくりしたらいいからさ」

笑って言ってみるが、小太郎は何も答えなかった。


あ、熱は大丈夫かな。


ふと思い、小太郎の額に手を伸ばした。

「な、何をする!」

思い切り手を払い除けられた。

「えっ、いや…熱がないかなと思って」

払い除けられた手が、少しだけヒリヒリとする。

「大丈夫だ」

冷たく一言、小太郎が呟く。

「そっか。ならいいんだ」

ホッとしたのと同時に、なんだか胸の奥が締め付けられたような気がした。



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