陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「…もしかして、敵討ちしようとしてる、の?」

幸姫が恐る恐る聞いてみると、小太郎は何も言わず、視線を天井へと向けた。

「仇討ち…そうかもしれんな」

小さく小太郎は呟いた。

「俺の主はあの方だけだ。その主の悲願を達成する為と、織田を始末しようとしてきたが…」

ふと小太郎は、幸姫の方へと視線を戻す。

「主の為に動いている。そう、思っていたが。本当は、自分の為だったのかもしれん」

小太郎の悲しげな表情に、幸姫は胸の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚を覚えた。


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