陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
ごん!という大きな音と衝撃、そして痛みで幸姫は目を覚ます。

「いったぁーい!」

ズキズキと痛む頭を押さえながら、幸姫はきょろきょろと辺りを見回した。するとそこには、まるで仁王のような形相で立っている小十郎の姿があった。

「何すんのよ!」

キッと睨みつける幸姫に、小十郎が更に眉間にしわを寄せて、両方のこめかみをギリギリと締め上げる。

「貴様、昨日部屋に戻れと言ったのを聞いていなかったのか、あぁ?」

「や、いた、痛い!イタイイタイ!」


頭がつぶれる!


バシバシと小十郎の腕を叩いて必死で抵抗する。

「ごめ、痛い!ホントスイマセン!!痛いー!」

幸姫が叫ぶと、小十郎はぱっとその手を離した。

「もしやとは思っていたが…体調を崩したらどうするつもりだ!」

幸姫はこめかみを摩りながらゴメンナサイと小さくなる。
ため息をつく小十郎を見て、幸姫はシュンとなった。

「これからはきちんと部屋で寝るんだ。わかったな?」

「うん、ごめんなさい」

あんな怒られ方をしたのに、なぜだか不思議と素直になれたことに、幸姫は少しだけ驚いた。


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