陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
陽もかなり高くなってきて、暑さが一段と厳しくなってきた。

「暑…」

額に浮かぶ汗を拭いながらうーん、と一度背伸びをする。
と同時に、ぐるっと大きな音がした。

「…お腹すいた…」

目の前にあるもぎたてのきゅうりを手に持ち、ごくりと喉を鳴らす。

「ダメダメ!コレはおっさんが育てた大事なきゅうりだもん」

頭を横に振ると、また、お腹が豪快になった。

「ダメだ…このままじゃお腹すきすぎて死んじゃう」

はぅっとお腹を抱えたときに、ふと、あることに気づいた。

「…てか、いったん屋敷に帰ればいいんだ」

ぽん、と手を叩くと、幸姫は手に持っていたきゅうりを、そばに置いてあるかごの中に突っ込んだ。

とその時、ふと、影ができたのに気づく。


おっさん?


「忘れ物でもした?」

幸姫はけらけらと笑いながら振り返った。



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