陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
叫んだ瞬間だった。

小太郎は私を抱きしめるようにして、視界をふさいだ。

男の悲鳴にも似た叫び声が後で聞こえ、それと同時に、背中に何かがかかる感触がした。

「…すまなかった」

もう一人の男も死んだんだと、なんとなくそう思った。

「奴らを見かけて、後をつけてみたら、お前が巻き込まれていた」


生きてる。
私、生きてる…


「俺とかかわった為に…すまなかった」


小太郎に言われて、幸姫はぎゅっと小太郎に抱きついた。


「怖…たっ………うわぁーーー!」

「…すまなかった」


小太郎は優しく、幸姫を抱きしめた。

幸姫は、喉にかすかに残る痛みと、充満する血の匂いから逃げようと、小太郎の優しさにすがった。



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