陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
小太郎に、暫く目を瞑っているように言われ、幸姫は言われたとおりぎゅっと目を瞑った。
すると小太郎がそばを離れたようで、小太郎の気配が無くなった。

「…小太郎?」

急に不安になる幸姫。ふと目を開けると、小太郎の姿も、死体も何もなくなっていた。

「小太郎?どこ?」

不安げな声で、きょろきょろと辺りを見回しながら名前を呼ぶ。

「目をつむっていろと言っただろう」

不意に後から声がして、幸姫は振り返る。

「…ごめん」

ほっとする幸姫に、小太郎はすっと跪いた。

「俺の主はあのお方だけだ。だが、俺のせいでお前には怖い思いをさせてしまった」

突然どうしたのかと、おろおろする幸姫に、小太郎は少し笑いながら続けた。

「信長を討つまで、俺はお前を守ろう」


小太郎の一言に、幸姫は目を見開いた。


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