陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「…というわけでして」

幸姫はことのあらましを小十郎に伝えた。小十郎は相変わらず難しい顔をしているが、ちらりと小太郎に視線をやりながら、幸姫に尋ねた。

「本当に、政宗様に害をなそうとしているわけではないのだな?」

聞かれて幸姫はコクコクと頷いた。

「こたの目的は、打倒信長だから、その点で考えたら、政宗さんと利害は一致するんじゃないかな」

ゴンっと大きな音と共に、幸姫の周りに星が飛んだ。

「政宗様と呼べ」

グーで叩かれた頭を摩りながら、幸姫は少し涙目になりつつ謝った。

「すいません…」

小十郎は幸姫と小太郎を交互に見ながらため息をついた。

「…妙な真似をした場合は問答無用で叩っ斬る。いいな」

小十郎の言葉に、幸姫の顔はぱぁっと明るくなる。

「それじゃ…!」

「いいか、俺はまだ信用したわけではない。そこを勘違いするな!」

「わかってるって!ありがとう、おっさん!」

「誰がおっさんだ!」

小十郎が腕を振り上げるのを見て、幸姫は慌てて首を引っ込めた。



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