陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
が、小十郎の拳骨は自分の頭まで届かなかった。

「幸姫に手を出すな」

小太郎の手が、幸姫の頭を小十郎の拳骨から守っていた。

「人のことをおっさん呼ばわりするような奴には、しつけが必要だと思うが?」

険悪な雰囲気が2人の間に漂う。幸姫は慌てて2人を止めた。

「あぁ!こた、私が悪いんだし。お…小十郎さん、次からは気をつけるから」

幸姫に懇願されて、2人は仕方が無い、とお互いに手を収める。

「でも、小太郎と小十郎ってなんか似ててややこしいよねー…」

うーん、と幸姫は唸る。

「小太郎はこた、で、小十郎さんはこじゅ…こじゅってなんか言いにくいし…!」

閃いた!という顔で、満面の笑みを幸姫は浮かべた。

「小十郎さんは、パパだね!」

言うと、小太郎と小十郎はお互いに顔を見合わせた。

「…ぱぱとはなんだ?」

小十郎に言われて、幸姫は笑いながら答えた。



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