陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「嘘だ!」

思わず叫ぶ幸姫。

「私のお父さんは死んだんだ!お母さんは何も言ってくれなかった。会いに来てくれるとも、生きているとも…」

いつも父のことを聞くと寂しそうな、辛そうな、切なそうな。
そんな表情を浮かべていた母。
思い出すだけでもこっちが辛くなる。

幸姫はぎゅっと唇を噛み締めた。

「だけど、死んだ。とも言ってないんじゃないか?」

佐助に言われて、幸姫はハッとする。


そうだ。
いつだって。
死んだとは一言も言っていない。


「そんな…そんな……」


ふるふると頭を横に振る。

玲子ももしかしたらタイムスリップしたのかもしれない。
昔、こっちに来たことがあるのかも知れない。
来た年代と、すごした年代に多少のズレがあるとしても、おかしくはないのかもしれない。

だけど。
それでも。


「そんなこと、信じない!」


幸姫は叫ぶと、その場からだっと走り去っていった。


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