陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「…真田。本当に、幸姫はお主と玲子の子なのかえ?」
駆け出していった幸姫の後を追って出て行った小太郎の後姿を見つめながら、謙信が呟いた。
「間違いございません」
「…その割にはお主、嫌われておるようだったが?」
ちらりと幸村に視線を移すと、まるでこの世の終わりとでも言わんばかりの表情で、宙をふよふよと泳ぎ見ている幸村の姿があった。
「一緒には暮らしていなかったんだ。会ったのも幸姫様が幼いころに、ほんの少しの間だけ。忘れていたとしてもおかしくないですって」
ぽんぽんと肩を叩く佐助。
が、幸村は沈んだ表情のままだった。
「しかし、なぜお主の娘は風魔と一緒なのだ?」
ちらりと謙信がダンゾーを見ると、ダンゾーは何も言わずその場から姿を消した。
「さぁね。不思議ついでにいけば、今は片倉の旦那のところに居るみたいだし」
「なに!?」
「おわ!」
バシッと幸村の頭を思わず叩く佐助。
「急になんですか。驚かさねーでくださいよ、若」
はぁ、とため息をつく。
謙信は気にせずに佐助に質問する。
「片倉とは、あの奥州の」
「そうですよ」
今にも飛び出しそうになる幸村の首根っこをがしっと捕まえたまま、佐助は頷いた。
「とりあえず、幸姫様に会いたかったら奥州に行くことです。ま、もっとも?それどころじゃなくなるんでしょうけどね」
ニヤリと笑う佐助に、謙信はふん、と鼻を鳴らすときびすを返し、そのまま立ち去っていった。
駆け出していった幸姫の後を追って出て行った小太郎の後姿を見つめながら、謙信が呟いた。
「間違いございません」
「…その割にはお主、嫌われておるようだったが?」
ちらりと幸村に視線を移すと、まるでこの世の終わりとでも言わんばかりの表情で、宙をふよふよと泳ぎ見ている幸村の姿があった。
「一緒には暮らしていなかったんだ。会ったのも幸姫様が幼いころに、ほんの少しの間だけ。忘れていたとしてもおかしくないですって」
ぽんぽんと肩を叩く佐助。
が、幸村は沈んだ表情のままだった。
「しかし、なぜお主の娘は風魔と一緒なのだ?」
ちらりと謙信がダンゾーを見ると、ダンゾーは何も言わずその場から姿を消した。
「さぁね。不思議ついでにいけば、今は片倉の旦那のところに居るみたいだし」
「なに!?」
「おわ!」
バシッと幸村の頭を思わず叩く佐助。
「急になんですか。驚かさねーでくださいよ、若」
はぁ、とため息をつく。
謙信は気にせずに佐助に質問する。
「片倉とは、あの奥州の」
「そうですよ」
今にも飛び出しそうになる幸村の首根っこをがしっと捕まえたまま、佐助は頷いた。
「とりあえず、幸姫様に会いたかったら奥州に行くことです。ま、もっとも?それどころじゃなくなるんでしょうけどね」
ニヤリと笑う佐助に、謙信はふん、と鼻を鳴らすときびすを返し、そのまま立ち去っていった。