陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
小十郎の後ろにしっかりとしがみついて、幸姫は姉滝へと向かっていた。


…だからさ、いつの時代なのよ。
移動手段で『馬』ってなに。


自転車・バイク・車。
移動手段はいろいろあるが、馬での移動は初めてで、幸姫は少し戸惑っていた。


確かに早いけどさ、馬。


ちらりと走っている道を見て、そういえば、とまた疑問がよぎる。


こんな舗装されてない道なんて、行きがけに通ったっけ?


仙台にはたくさんの緑が残っていて、とても綺麗な街だった。
が、道はきちんと舗装されていて、滝の周辺や川沿いは舗装されていなかったが、そこにいたるまでの道はアスファルトできれいになっていたはずだ。


…なんか変なんだよね。
喋り方とか、着てる服とか。


まるで時代劇の中に、ぽつんと自分が紛れ込んでしまっているような、そんな感覚に陥る。


ま、そんなこと、あるわけがないけどね。


馬から落ちないよう、小十郎にしがみついていた腕の力をさらに強めた。


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