陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「政宗様」

小十郎が政宗に声をかける。

「なんだ」

「幸姫も、屋敷の者に別れの挨拶をしたいでしょうし、今日は片倉の家に連れ帰りますがよろしいですか?」

「あぁ…それなら仕方ねぇ。明日の朝、必ず連れてこい。いいな?」

「御意」

自分のことなのに、ポンポンと勝手に話が進んでいく。

「ちょっと!」

「なんだ」

今度は幸姫が声をかけた。

「こたも一緒じゃなきゃ嫌だ」


頼みの綱のおっさんが諦めやがった。
ならば、断られるような条件を突き付けるしかない。

小太郎と政宗達は敵同士のよう。ならば、こうやって言えば――…



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