陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
一夜明け、片倉家を後にした幸姫は、小十郎に渡された着物を着て、政宗のところへとやってきた。

「よくきたな」

奥でふんぞり返る政宗を見て、幸姫は改めて、伊達政宗はえらい人なんだと認識する。

「政宗様、幸姫の仕事ですが…」

「いい。こいつは俺の傍でいることが仕事だ」

「は?」

政宗の言葉に、面食らったのは幸姫だった。

「側仕えなんでしょ?なんか仕事しないといけないんじゃ」

「だから、おまえは俺の傍にいろ。用があれば、そのときに働け」

何も言わない小十郎を、幸姫はじっと見つめる。


…おっさんが何にも言わないってことは、側仕えの仕事ってそういうもんなの?
え、こたが言ってた、主によるっていうのって、こういう意味なわけ?


すっかり意味が分からず、頭にはてなマークを飛ばしていると、くくっと小さく政宗が笑った。

「おい、小十郎。軍略会議の時間じゃねぇのか?」

政宗に言われて、ハッとする小十郎。

「先に行ってろ。すぐに行く」

「…畏まりまして」

小十郎は小さく頭を下げると、そのまま部屋を出て行った。


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