陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
捕まってからもうどれくらいたったのかわからなかった。灯りがないため、時間の進み具合が全くわからず、幸姫は少しイライラしていた。


なんだって私はこんなところに閉じ込められてるんだろ。


深いため息が出た。


何度か眠くなって寝たけど、どのくらい寝てたのかわかんないし、朝寝たのか昼寝たのか夜寝たのか、それすらわかんない。

ぐりぐりとコメカミの辺りを押さえていると足音のようなじゃりっじゃりっという音が聞こえてきた。

「ちょっと!出してよっ!」

何度かこういった場面があったが、いつも誰も足音の主は姿をみせなかった。
幸姫は、今回もどうせそうだろうと思いながら叫んでいた。

「…ほう」

男が二人。
一人はもうどのくらい前なのかわからないが、閉じ込められた当初に見たあの男だった。
蝋燭の灯りをもち、もう一人の後ろに控えるような格好で立っていた。

「信長様からきていた、人相書にそっくりだと思いましてな」

男が言うと、信長と呼ばれた男は小さく頷いた。




< 241 / 524 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop