陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
何度か来たことがあったが、こうも変わるものなのかと、政宗は馬からおりて、寂れ果てた小田原の町を見渡した。

馬をひきつつ、ゆっくりと歩いてみる。だが、人の気配はなく、誰も外にいない。

小さくため息をつくと、また、愛馬のくろに跨がり、町中を駆け出した。


とっとと茶会なんぞ終わらせて、幸姫を探さねぇとな。


実際にはまだ3・4日くらいしかたっていないが、もう何年も幸姫と離れているかのように感じられていた。


あいつはやはり、俺の傍にいないと駄目だ。


そう思った時だった。


くろが急に止まり嘶く。政宗は体制を崩すも、なんとか落馬だけはしないようにとくろにしがみついた。




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