陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「成実!?」

突然馬の前に飛び出してきた馬鹿は何者だと思っていたら、自分の見知った相手だったことに驚いた。

「…幸姫はどこだ?」

成実がいる、ということは、幸姫もいるはずだ。

だが、側にはそれらしい人物どころか、人影などなにもない。

「すまん」

成実がいきなり土下座して謝ってきた。



まさか。



「朝になって目が覚めたらいなくなっていたんだ。今もずっと探し回っているんだがみつからん」

頭を下げたまま、成実が言う。

「どこにいるのか、全くわからな」

「黙れ」

政宗は成実がしゃべるのを止めた。

「今すぐに甲斐に行け」

「は?」

「まだ、あの優男は甲斐にいるだろ。真田に会って、幸姫がいなくなったと伝えろ」

政宗の言葉の意味がわからず、困惑した表情の成実に、政宗はもう一度言った。

「甲斐の真田の所へ行けっつってんだ!さっさと行かねぇか!」

政宗の言葉に、弾かれたように成実は走り出した。




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