陽のあたる場所で 〜戦国遊戯３〜

「…なに、これ」

幸姫は今の自分の状態が理解できずにいた。

牢からようやく出してもらえたと思ったら、今度は女中とおぼしき数名の女性達に風呂に入れられ、体を洗われ、今はメイクをされながらと髪をいじられている。

「本当に…見違えるよう」

一人の女中が呟いた。慌てて、別の女中が肘で小突いた。

「し、失礼しました！」

頭を下げる女中に、幸姫はいえ、と頭を小さく横にふった。


牢に入れられていたせいで、お風呂にも入ってなかったし、髪はボサボサで、身体中埃にまみれていた状態からなら、誰だってそう思うよ、と幸姫は心の中で呟いた。


そんな幸姫の心中などわかる訳もなかったが、幸姫が怒っているわけではないと悟ると、ほっと息をつき、続きをしはじめた。