陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
障子を開けられて、中に入るように促され、仕方なく入ろうとしたときだった。

「なっ!?」

声の主を見て、幸姫は目を大きく見開く。

「伊達殿…?」

信長の声に、政宗は居ずまいを正した。

「まさっ…わぁ!」

思わず政宗のところへ駆け寄ろうとして、着物の裾を踏んでしまった。
倒れそうになったところを、信長に支えられる。

「くくっ…よほどこちらの衣服は着慣れんようだな」


え…?
どういうこと…??


信長の言葉に、目を白黒していると、ふっと誰かに体を引っ張られた。

「なぜ、こいつがここに居る」

怒りのこもった声で政宗が聞く。
信長は楽しそうに笑って答えた。

「こいつ、とは?」

信長の問いに、政宗はイライラしながら答えた。

「こいつはさち。俺の身内の妹で、俺の嫁になる女だ」

「政宗!?」

驚いた顔をして、政宗を見る。
政宗の表情には隠されることなく、怒りだけがあらわになっていた。


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