陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
むくっと起き上がると、政宗はお猪口にお酒を自分で注いだ。

「飲め」

そう言って、幸姫にお猪口を差し出してきた。

「え…いや、私は」

脳裏にあの記憶が蘇る。
が、政宗はじっと幸姫を見つめて、ぐいっとさらにお猪口を差し出してきた。

「飲め」

有無を言わさない政宗の言葉に、幸姫はあきらめて、お猪口に口をつけた。

「…いただきます」

それから暫く、会話を交わすことなく、二人でちびちびとお酒を飲み続けた。




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