陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
なぜ奥州の小童が、幸姫のことを知っているのかはわからないが…


最初は一瞬、玲子と間違えているのではないかと思ったが。
そうではどうもなかったようだった。


幸姫の存在を知るのは、こちら側では真田の小倅だけだと思っていたが。


くくっと小さく笑う信長。


まぁよい。
そのような些細なことなど、取るに足らぬことだ。
なんの問題もない。


そう思うと、また、笑みがこみ上げてくる。



俺の天下はもうあと少しで終わる。
が、それは俺の描いた物語の序盤に過ぎん。
そして、そのための駒もそろった。


城下町を見下ろしながら、すぅっと目を細める。


会いたかったぞ?幸姫。
必ずお前は、こちらに来ると思っていたのだ。


――――お前が要なのだ。



俺が、真に天下を取るためには、な。



「くっ…ふふ…ふははははははは!」



暗闇を月明かりが照らす中、信長の笑い声が響き渡った。




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