陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
そうなると、高松城の水攻めは今からじゃない。
ってなったら…
え、今回は違うの?
「幸姫?」
小太郎がどうしたのかと声をかけてくる。
が、幸姫には聞こえていなかった。
「幸姫」
ポンッと肩を叩かれてハッとした。
「ごめん!なんだっけ!?」
途中から話を聞いてなかった!と、慌てて聞き返す。
「いや、まだ何も言ってないが…」
小太郎は少し不審そうに幸姫を見た。
「どうかしたのか?」
小太郎に聞かれて、幸姫は首を横にふる。
確かに条件が揃ってるとは思うけど、でも、自分の知っている史実との食い違いがある訳じゃない。
…秀吉のこと、全て知ってる訳じゃないし。もしかしたら、何度か備中には攻めてるのかもしれない。
それならば気にすることはない。
「ううん、なんでもない」
幸姫はそう答えた。