陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
料理を作り終えて、幸姫はみんなと一緒に一段落しながらおしゃべりをしていた。

「あんた、小十郎様とどういう関係なんだい?」

一番恰幅のいい女性、おはるが幸姫に目を輝かせながら聞いてきた。

「最初は小十郎様のいい人かと思ったけど…そうでもないみたいだし」

ねぇ?とみんなが顔を見合わせてくすくすと笑った。

「で、どうなんだい?」

「あ…あはは…」

いつの時代でも、女性は噂話や浮いた話が大好きなんだなぁ、と、そんな事を思っていると、ふと、台所の扉が開いた。

「あ、喜多様」

女中達が頭を下げる。皆がいっせいに頭を下げたので、幸姫もつられて、頭を下げた。

「今日はもう準備が出来たの?」

喜多に聞かれて、おはるは得意げな顔で頷いた。

「えぇ!聞いてくださいな喜多様。この子が手伝ってくれたおかげで、いつもより早く夕餉の支度ができたんですよ」

ぽんぽん、と幸姫は肩を叩かれて、思わず顔が赤くなった。

「まぁ。お料理は得意なの?」

喜多に聞かれて、幸姫は苦笑しながら答えた。

「必要に迫られて、というのが本音なんですが。でも、料理はわりと好きです」

幸姫が言うと、喜多は嬉しそうに微笑んだ。

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