陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「これだ」

にっと笑う政宗。
一目みて、戦の話をしているというのがわかり、幸姫の表情が凍りつく。

「…それが何?」

嫌な予感がした。
あえてわからないふりをする。

だが、まるで全てを理解した、といわんばかりの表情をした幸姫を見て、政宗はくくっと小さく笑った。

「10日後、仕掛けにいく」


…やっぱり。


政宗の言葉にため息が出た。


「駄目だよ、こたは」

行かせない。
そう言おうとする幸姫より先に、政宗が喋った。


「幸姫、お前もくるんだ」

「……は?」

言われた意味が理解できない。



私もこいって言った?



「風魔、こいつを死なせたくなければ、俺の言う通りに動け」

政宗の言葉に、幸姫は顔をしかめた。

「何を言って」

「これは命令だ。こちらから仕掛けなくとも、向こうが勝手にしかけてくる。…生き抜きたければ、俺の言う通りに動け」


政宗の言葉に、幸姫は全ての選択肢を失った気がした。

戦のに参加する、という選択肢以外の全てを。






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