陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
ぎゅっと膝を抱えて、顔を埋めた。

「不安か?」

全てを見透かされたような問いに、幸姫はビクリと体を振るわせた。
だが、声の主に対しては、今は怒りが何よりも勝っている。

「…当たり前でしょ」

不機嫌そうに言うと、ふっと優しい顔で微笑みながら、そっと幸姫の横に、政宗は座った。

「機嫌が悪いな」

言われて幸姫はふいっと反対方向へ顔を向ける。

「悪くもなるよ。私をだしに、こたを使って危ないことさせて…当然でしょ」

言うと政宗が、ぐいっと顔を引き寄せた。

「…自覚はあったのか」

政宗の声のトーンが、わずかに下がった。

「こたが守るって、主だって言ってくれたんだもん。なら、こたを私も守らなきゃって自覚くらい、あるに決まってるでしょっ」

パシッと手を払う。
政宗は何も言わない。



ちょっとは効いたかな…?


ちらりと政宗を見る。

政宗は何も言わず、ただじっと、幸姫を見つめていた。





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