陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
政宗と視線が絡み合う。
こうなると幸姫は視線をはずすことが困難になる。

「…お願いだから、こたに危険なこと、させないで」

なんとか絞り出された声は、今にも消えてしまいそうなくらい小さくかぼそい。

「ならばお前がそれ以上に動くんだ」


そう言うと、政宗は覆い被さるようにして、幸姫の方へと体を倒した。

「…どうすれば」


政宗から逃れようと体をよじりながら幸姫が開いた口を、そのまま政宗は自分の唇重ねてふさいだ。
唇から伝わってくる幸姫の温もりが、少し肌寒く感じていた自分を温めてくれた。


風魔の為に、怒るところなどみたくない。


幸村の為に必死で動き回っていた玲子を思い出す。


ふと、少し唇を離す。
と、月明かりに照らされた幸姫は、複雑そうな顔をしていた。

ひんやりとした指先で、幸姫の頬をなぞってみる。

体が一瞬震え、顔を真っ赤にして硬直した。




そうだ、それでいい。



また、唇を重ね、ゆっくりと着物を脱がせていく。




お前は俺だけを見ろ。
他はなにも見なくていい。
風魔も、真田も。
この世界中の何もかも。



ただ、俺だけを見て、感じ、想えばいい。







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