陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
城中がバタバタと忙しそうな日々が続いていたが、いよいよ出発が明日に迫った日の夜。

幸姫は意を決して政宗の部屋を訪ねた。

「政宗…起きてる?」

襖越しに声をかける。
が、返事がない。


…いないのかな。


そう思った時だった。

「政宗様は愛姫様のところだ」

声がした。そっちを向くと、そこには少しばかり険しい表情をした小十郎がいた。

「そこで何をしている」

聞かれて幸姫は答えた。

「あ、政宗…様を探してたんだけど、いないみたいで」

小十郎は小さくため息をついた。


小十郎をじっと見つめる。


「愛姫様のところなんだ」

小さく呟く。
自分で言って、胸の辺りがギュッと痛んだ。


…正室なんだもん、行くのは当たり前。


「明日は戦に発つからな。いつも前日は愛姫様のところへ行かれる」

小十郎に言われてまた胸が苦しくなった。

幸姫は自分の心の中がバレないようにと、必死で何でもないような表情を作り、そっか、と小さく呟いた。





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