陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「あら、政宗様」

「邪魔するぞ、喜多」

ちょうど、喜多と出くわした。喜多は頭を下げる。

「姉上」

小十郎が呼びかけると、喜多はすっと頭をあげた。

「お帰りなさい、小十郎」

小十郎も小さく頭を下げた。

「ただいま戻りました、姉上」

そう言うと、申し訳ございませんが、と小十郎は続けた。

「少し片付けねばならぬ仕事がございます。申し訳ございませんが、政宗様に先に夕餉を」

そういうと、喜多は笑って頷いた。

「畏まりました。では政宗様。こちらへ」

「悪いな、喜多」

政宗は笑いながら、喜多のあとについて行った。


「…はぁ」


大きく息を吐く。
そして、音がしないよう、そっと、襖を開けた。


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