陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
か…帰りたい…


部屋の隅っこの方で、ポツンと膝を抱えて座っていた。

日が完全に落ちたようで、部屋は暗闇に包まれていた。

時折聞こえる梟の鳴き声に、幸姫はびくっと肩を震わせる。

「電気が欲しい」

ポツリと呟いてみたが、また、幸姫は膝に顔を埋めた。


無いよね、やっぱり。


はぁ、と小さくため息をつく。

ぎゅっと膝を抱き締め、幸姫はただひたすらに、小十郎が来るのを待った。

「怖いよ…母さん」

小さい頃、母の帰りを家で待っていたのを思い出した。

すぐに帰ってくる。

そう、自分に言い聞かせながら、待ち続けていた。

「母さんのところに帰りたい」

きっと、心配しているに違いない。
いつも優しくて、厳しくて。


また、泣かせちゃったかもしれない。


ふとそう思い、ため息をついた。



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