陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「どういう…意味」

小十郎の言葉の意味が、理解できなかった。
…いや、正確に言えば、理解したくなかった。

「…お前にこんなことを言うのは酷かもしれんが…」

躊躇いながらも、小十郎は続けた。

「政宗様は昔、お前の母である『玲子』のことを好いていた。だが、結局、玲子は別の者を選び、政宗様は玲子を諦めた。…まぁ、それだけではないと思うが、幸姫、お前に興味を持ったのは、その、玲子に似ているからだろう」

小十郎は、ギリッと歯を食いしばると、何かを決心した顔で話を続けた。

「だが、最初はどうあれ、政宗様は、本当に幸姫を…」

途中から、小十郎の言葉が、何も耳に入らなくなった。

頭の中が、真っ白になった。





< 340 / 524 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop