陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
…眠れぬ。


幸姫にあのことを告げたことを、後悔していた。
そっと目を開けてみるが、やはり部屋の中は暗く、音もなかった。


いつかは向き合わねばならんことだ。


まるで誰かに言い聞かせるように、心の中で呟いた。

政宗様から直接言うべきことだったかもしれん。
だが、あのお方も、拠り所を求めていた。

…深い仲になる前に、正直な気持ちと向き合っておかねば、後々お互いが辛くなるのだ。


ため息をつくと、また目を閉じた。



だか…政宗様と向き合う機会を持たせぬままに答えたのは、やはり俺が悪い。


明日、動けるようであれば、政宗のもとに一緒に連れていこうと思いながら、小十郎は眠りについた。





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